形成外科について

教授ごあいさつ

教授 稲川 喜一

形成外科は、主に身体の表面や、外見の変形を治療する診療科です。顔面、体幹、四肢など、身体のあらゆる場所の先天的、あるいは外傷や腫瘍などが原因で生じた、組織の欠損・変形などを、機能的にも外見上もなるべく正常に復元することを目的としています。

 当教室は、全国でも最も早く開設された形成外科学教室の一つであり、数多くの実績を重ねて参りました。そして臨床研修体制や診療体系などが確立されています。
診療体系は大きく5部門に分かれています。

 第1の柱は先天性外表異常の部門です。特に口唇裂・口蓋裂については専門外来を置き、矯正歯科、リハビリテーション科、耳鼻咽喉科などと連携し、国内有数のチームアプローチを行っています。中国四国地方のみならず、関西や九州からも多くの患者様が受診されています。

 第2の柱はマイクロサージャリーの部門で、多くの症例を有します。口腔外科、耳鼻咽喉科、乳腺外科との協同手術による悪性腫瘍摘出術後の再建はもとより、切断指再接着、足趾移植、顔面神経麻痺の再建、リンパ浮腫に対するリンパ管静脈吻合などスーパーマイクロサージャリーの技術を用いた新しい治療にも積極的に取り組んでいます。

 第3の柱は外傷(熱傷、顔面外傷、顔面骨骨折)です。高度救命救急センターと協力して、全身熱傷を始めとする 多数の症例を治療しています。

 第4の柱は乳房再建です。当院には乳腺外科があり、かねてから数多くの乳房再建を行ってきました。さらに2013年7月より、乳房再建手術に使用するシリコンインプラント(人工乳房)の保険適用が厚生労働省より承認され、乳房再建件数は増加傾向にあります。当科では患者さんの自家組織によるもの、または人工乳房によるもの両方の乳房再建が可能であり、患者さんのニーズに合わせて再建を行っております。

 第5の柱として2003年7月から美容外科を開設し、関連病院でも美容外科外来を積極的に展開しております。 また、褥瘡、難治性潰瘍といった形成外科学の基礎となる創傷治療にも力を入れ、集学的治療といった社会的ニーズの高いテーマにも積極的に取り組んでいます。

 他にも形成外科で扱う疾患は多岐に渡ります。当院ホームページもご覧頂き、どうぞお気軽にご相談ください。

 当教室は、1975年(昭和50年)に谷太三郎初代教授のもと開設されました。1988年(昭和63年)二代目教授:森口隆彦教授が就任し、現在に至る礎が築かれました。
そして2010年(平成22年)からは私が教授を拝命しました。今後ますます当教室を発展させ、ひとりでも多くの患者さんを救い、社会貢献していきたいと存じます。

 当教室では現在までに、日本形成外科学会総会、日本形成外科学会基礎学術集会、日本形成外科学会中国四国地方会、日本熱傷学会総会、日本熱傷学会中国四国地方会、日本口蓋裂学会、日本褥瘡学会、日韓形成外科学会などを主催してきました。 平成元年には同門会「平成会」を設立し、名誉会員を筆頭に医局員数は約50名、総会員数は100名を超えます。医局員の多くは中国四国地方にある数多くの関連病院に出向しており、医局員の研修体制も充実しています。 形成外科に興味がある先生はぜひ、当教室で一緒に学びませんか。お待ちしております。